
野菜のほとんどを、大人になってから食べれるようになりました!
保育士のサボジローです!

うちの子最近食べ物の好き嫌いが多くって・・・。
無理に食べさせるのもどうかと思うけど、できれば何でも食べれる子になってほしいし・・・。

僕は今でも好き嫌い多いけど、食事は大好きだし、それによって人生充実しているよ!
親ならば、できれば自分の子どもは好き嫌いなく何でも食べれるようになってほしいと思いますよね。
何でも食べれる方が苦労しないし、食事を楽しめるから。
しかし、果たしてそうなのでしょうか?
私はまだ面識の薄い人と会話する時、食べ物の好き嫌いの話をよくします。
誰でも一つや二つ嫌いなものがあって、共通の話題として盛り上がるから。
そう、大人でもほとんどの人が好き嫌いはあるのです。
あなたは好き嫌いないですか?
では、子どもの食事の好き嫌いはそのままにしておけば良いのか?
その答えは、「無理強いはせず、食べる機会は与え続ける」です。
そして、いちばん大切なのは食事の時間を楽しい時間にすることです。
次の2人の大人で幸せなのはどちらでしょう?
- 食事はカップ麺やコンビニごはん中心の生活。旅先でも早くて安いチェーン店が一番。
- 食事が好きで、自分でこだわって調理したり、友だちと美味しいものを食べ歩きするのが日常。旅先ではその地域の一番美味しいものを探して回るのが楽しみ。
言うまでもなく、2.が幸せですね。
食事を楽しめる人は人生が豊かになります。
大切なのは、嫌いを減らすことより、好きを増やして食事を楽しめる人にすることです。
まず、下の目標に納得した人だけこの記事を読んでください。
私たちの最大の目標は、「食事を楽しめる人にすること」です。
では、いきましょう。
子どもの好き嫌いは当たり前
子どもの好き嫌いについて非常にわかりやすい動画があるので載せておきます。
さて、文章でも解説します。
子どもが好き嫌いをするのはなぜでしょうか?
これは人間の生存本能によるものです。
人間の味覚は基本的には5種類です。
- 甘味:エネルギー源となる糖質
- 塩味:ミネラル
- 旨味:体を作るタンパク質
- 酸味:自然界では腐った食べ物の味
- 苦味:自然界では毒の味
子どもの嫌いなものって、主に酸っぱいものや苦いものですよね?
そう、子どもは本能で食べてはいけないものを判断できるのです。
すごいですね。
人間は本能的には酸味や苦味を避けます。しかし、大人は経験的にそれらを大丈夫なものと知っています。
ですから、まだ経験の少ない子どもが好き嫌いをするのは当たり前なのです。
あなたの調理法や食べさせ方が悪いわけではないのです。
何も悩む必要ありません。
無理やりでは食べれるようにならない

では、どうすれば子どもの好き嫌いは直るのか?ですね。
まず、いまだに保育士でも行う人の多い、「食べてるうちに慣れるだろう説」についてです。
子どもが多少嫌がろうとも、あの手この手で口を開けさせ、口に入れ、咀嚼し、飲み込ませる。
それを繰り返すうちに慣れて食べれるようになるだろう。という少し強引な考え方です。
根性論です。
ここでは「根性で好き嫌いゼロ作戦」と名付けましょう。
この「根性で好き嫌いゼロ作戦」について考えるためにまず覚えておいてほしいのは、味覚は人それぞれということです。
もっとはっきり言えば、同じ味でも人によって感じ方は全く違うということです。
あなたにとって、「このくらいの苦味食べれるよ」と感じていても、子どもにはとても食べ物とは思えない、ひどい味のものを口に詰め込まれている感覚かもしれないのです。
その子がその味をどう感じているかは誰にもわからないので、注意が必要ですね。
また、「根性で好き嫌いゼロ作戦」の効果を検証するために、ある研究を引用します。
嫌いになった理由②の「経験」では、多いものから「食わず嫌い」(19 人)、「食卓に上
幼児期における保育者の食事指導法を考える,芝田 郁子,2018
がらない」(10 人)、「無理やり食べさせられた」(9人)、「1回食べてまずかった」(6人)、
「好きなものしか食べなかった」(6人)、「好きなので食べ過ぎた」(5人)、「骨が刺さった、
異物が入っていた」(4人)、「口内炎にしみた」(2人)、「食べて気持ち悪くなり、吐いた」
(2人)となっている。
この研究は、保育学生を対象にアンケートを取り、自分の偏食はいつ、なぜ起こったか?を考えるものです。
その中の記述で、上記の引用した文章がありました。
気になること書いてありますね。
食べ物の嫌いになった理由の第3位が「無理やり食べさせられた」なのです。
おかしいですね、「根性で好き嫌いゼロ作戦」を信じるなら、食べているうちに慣れるはずなのに・・・。
また、私の出会った保育士でこういう人もいました。
その人は食事の場面で、子どもが嫌いなものを無理に食べさせようとすることは絶対にしませんでした。
なぜなのか聞いてみると、「自分が子どもの頃無理やり食べさせられて、食べ続けたけど今でも結局嫌い。だから無駄だからやらない」と言っていました。
そうなのです。無理やり食べさせ続けても、食べれるようにはならないのです。
それどころか、その経験がトラウマとなり、嫌いになってしまう可能性すらあるのです。
さらに最悪なのは、毎回嫌いなものを無理やり食べさせられるせいで、子どもが食事そのものを楽しくないと思ってしまうことです。
私たちの最大目標はなんでしたか?
「食事を楽しめる人にすること」でしたね。
無理に食べさせ続けることは、食事を楽しめない人になる危険があるので、絶対にやめましょう。
ちなみに余談ですが、私は20歳くらいまでほとんど野菜が食べれませんでした。
レタスと玉ねぎくらいは食べれましたが、他のものは苦手。ピーマン、ブロッコリー、オクラ、ナスなどは絶対に無理。という偏食でした。
しかし、最初に勤務した保育園が「大人は食べ物を残すの禁止」という謎のルールがあり、そこで苦労して食べ続けることでほとんどのものを食べれるようになりました。
なんならナスなどは好きになりました。
根性で食べれるようにしましたが、それは大人だったからです。
「根性で好き嫌いゼロ作戦」は、やるなら大人になってからでも遅くないということですね。
食を楽しめる人へ

さて、本題です。
どうすれば食を楽しめる人になるのか?
その答えはとてもシンプルです。
「とにかく食事を楽しむこと」です。
そりゃあそうですね。
しかし、これが意識しないと難しい。
その子の将来を考えるあまり、行儀について注意したり、好き嫌いを直そうとしたり、食事に集中させようとしたり・・・。
子どものことを考えるほど楽しむと逆のことをしてしまうのです。
保育士でもこういう人非常に多いです。
しかし、私たちの最大の目標は、「食事を楽しめる人にすること」でしたよね?
それを忘れずに、その他のことは小さなこととして考えましょう。
子どもの遊び食べも見守りましょう。

食事中はお母さんも笑顔を絶やさず、楽しい雰囲気にすることが何より重要です。
そうして楽しい食事の時間を重ねていけば、必ず「食事を楽しめる人」になります。
行儀だって、食べ物を大切にする気持ちだって、好き嫌いをなくすことだって大きくなってからでも大丈夫。
でも、食に興味がない人になってしまってからでは、「食事を楽しめる人」にするのは難しいですね。
子どもの栄養の偏りが心配?
大丈夫、多少嫌いなものが多くても私は身長180cm、肥満でもなく、スポーツ好きで健康な大人になりました。30を超えても今まで大きな病気も一切ありません。
細かいことは全て忘れて子どもと食事の時間を楽しみましょう。
嫌いなものを減らすより、好きなものを増やす

子どもの嫌いな食べ物を減らすことは難しいしストレスです。
逆転の発想で、好きな食べ物を増やしましょう。
たくさん好きな食べ物があれば、嫌いな食べ物がちょっとあったって大丈夫。
食事そのものは楽しめます。
では好きな食べ物を増やすにはどうするか?
方法は色々あります。
- たくさんの食材を食べてみる。
- 旬の食材を食べてみる。
- たくさんの調理法で食べてみる。
- 楽しい雰囲気で食べる。
- 特別な場所で食べる。(ピクニックなど)
- 調理前の食材に見る、触れる。(スーパーや畑など)
- 自分で食べ物を調理してみる。
- 自分で食べ物を育ててみる。
この中でも、自分で食べ物を調理したり、育てたりしてみることはおすすめです。
自分で作った食事や育てた野菜は、子どもが喜んで食べることも多いです。
ただし、注意してほしいのはあくまで好きなものを増やすため、食事に興味を持つためのアプローチであるということです。
ピーマンが苦手だからピーマンを育てて食べよう!は成功しない可能性が高いです。「ピーマン食べさせよう」という大人の意図が子どもに見えるからです。
それより子どもと一緒に育てる野菜を選んで、育てることそのものを楽しみましょう。
そうして食に関する楽しい経験をたくさん積み重ねる中で、食への興味が育っていって、いつの間にかいろいろな食物が好きになっていくのです。
私が以前幼児クラスの担任をしていたときに、ミニトマトの水耕栽培にチャレンジしたことがありました。
水だけで、土を使わずに育てるというあれです。
正直、土がなくてトマトが育つのか?と半信半疑でした。
しばらく茎は伸びて、葉っぱは出るけど実はならない・・・という状態が続きました。だからこそ、小さな実がなったときには感動して、子どもよりも喜んでいたのではないかと思います。
その身が少しずつ赤くなり、子どもと「そろそろ食べれるかな?」と毎日相談しました。
そして、数個の実が赤くなったので食べることに。
しかし、ミニトマト数個・・・皆で分けるとほんのひとかけらづつになってしまいます。
「あ、でもトマト嫌いな子多いし大丈夫か」と思い「食べてみたい人で食べようか」と声をかけると、ほぼ全員が挙手したのです。
トマトが嫌いな子も好きな子も、あれだけ楽しんで育ててきたから食べてみたいと思ったようで、調理の方に小さく切ってもらって本当に少しずつ食べました。
嫌いな子も、「おいいしい」と目を丸くしていました。
味わかるのか?というくらい小さいかけらでしたが、みんな大満足なようでした。
この経験からわかるのは、私が誰より楽しんでいたから子どもも楽しめたということです。
私にはトマト嫌いに食べさせようという意図はありませんでした。
しかし、結果トマト嫌いの子も一口食べて「おいしい」という経験をすることができました。
こうして、いろいろな形で食を楽しむことこそが食育なのではないかと思います。
嫌いなものは少しでも食べれれば◎

ここまで、好きなものを増やそう、食を楽しもう、嫌いなものを無理に食べさせるのはよくないと話してきました。
では、「嫌いなものはもう食べなくていいや」とあきらめてしまえば良いのでしょうか?
それは少し違います。
もう一度先ほどの研究の引用を見てみましょう。
嫌いになった理由②の「経験」では、多いものから「食わず嫌い」(19 人)、「食卓に上
幼児期における保育者の食事指導法を考える,芝田 郁子,2018
がらない」(10 人)、「無理やり食べさせられた」(9人)、「1回食べてまずかった」(6人)、
「好きなものしか食べなかった」(6人)、「好きなので食べ過ぎた」(5人)、「骨が刺さった、
異物が入っていた」(4人)、「口内炎にしみた」(2人)、「食べて気持ち悪くなり、吐いた」
(2人)となっている。
嫌いになった理由の1位は、「食わず嫌い」なのです。
実際私もそうでした。
嫌いだと思いこんでいたけど、おとなになって食べてみたら食べれるものが驚くほどありました。
「嫌いなものは食べなくていい」とお母さんが完全に諦めてしまうと、子どもはそのままずっと食わず嫌いになってしまいます。
ですから、食べなくても食卓には登場させましょう。
そしてお母さんやお父さんがおいしそうに食べたり、調理法によって「おいしそうかも・・・。」と思って一口口に入れてみたら、ある日食べれるようになるかもしれません。
例えば、「3歳になったから食べれるかなー?」と食べる機会を作ってあげて、もし一口食べれたら◎です。
たくさん褒めてあげましょう。
飲み込むことはできなくても、口に入れただけでもその努力は認めてあげましょう。
そうしていくうちに、”嫌いだけど食べられる”というものが少しずつ増えていきます。
私がよくないと言っているのは、「無理やり食べさせること」です。
嫌いなものを食べてみる機会はたくさん作ってあげてほしいです。
また、保育園や幼稚園に通う子の場合よく聞くのが、「保育園では食べれるのに家では食べない」という話。
それでいいのではないでしょうか?
子どもにとって友だちが一緒だから、先生が見てるからなど理由は様々でしょうが、頑張って食べることができているのです。
家では甘えて嫌いなものを食べなくたっていいのではないですか?
あなたは、自分の嫌いなものをわざわざ自分のために買ってきて食卓に載せますか?
私はしません。
家ではやっぱり好きなものを食べたいですからね。
苦手な食べ物は、少し食べれれば◎。生活の中のどこかで口にする機会があるなら十分です。それよりお子さんと一緒に食事を楽しみましょう。
まとめ
子どもはなぜ好き嫌いをするのか?好き嫌いはどうすればいいのか?について長年の保育士生活でたくさんの子どもを見てきた経験を元に、私の考えをお話してきました。
子どもが好き嫌いをするのは本能です。当たり前です。
一昔前は根性論で給食を食べれない子はずっと最後まで残されたりしていました。
しかし、その世代の人でも、大人になっても好き嫌いがある人はたくさんいます。
無理矢理では好き嫌いはなくならないのです。
それどころか心配なのは、それがトラウマになり食べること自体がそんなに好きでなくなってしまうことです。
たまに食事に本当に興味がない方っています。
別にお腹が膨れればなんでもよくて、休日のお昼はスナック菓子、夜はカップ麺。外食してもファーストフード。
そういう人生よりは、食べることに喜びを感じ、美味しい食べ物を楽しもうとする、気力のある人の人生のほうが輝くのではないかと私は思います。
私が子どもの食事で大切にしたいことは「食事を楽しめる人にすること」です。
食を楽しむという基本的な感性さえ身についていれば、その他のことは後々ついていきます。
まずは、長い人生で今だけしかない、親子での食事をたくさん楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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