「うちの子本当に夜寝なくて…」とお困りではないですか?
「早寝が良いのはわかるけど、中々寝てくれなくて」という声をよく聞きます。

もう寝かせるために怒ってばかりだから、疲れるまで遊ばせておきます。

気持ちはわかるけど、どんどん悪循環になっちゃうよ。
実は、人間は本来何もしなければどんどん夜型になってしまう生き物なのです…。
では早く寝るにはどうすればいいか?
それは、早寝を習慣化することです。
「それができね〜から苦労してるんだろうが!!」というのはよくわかります。
・・・わかってます。
なので物を・・投げないでください・・・・。
はい、そんなわけで、今回は寝ない子どもたちが勝手に寝るようになる習慣化と、その方法について解説していきます。
※まず、大人が睡眠の仕組みを理解することがとっても大切なので、できれば順番に読んでくださいね。
子どもに必要な睡眠時間は?

正直、子どもに必要な睡眠時間ははっきりとはわかりません。
睡眠についてはたくさんの研究がされていますが、その研究結果によって違うからです。
本記事では、私の経験から一番実情と合っていると感じる、こちら↓のページから引用させてもらいます。
1)新生児期
睡眠時間は 16~20 時間であり,睡眠パターンは 1~2 時間の覚醒と 1~4
時間の睡眠を繰り返します.昼夜のリズムはみられず,日中の睡眠時間と夜間
の睡眠時間はほぼ同じです.この時期の入眠は動睡眠(後のレム睡眠に相当)
から始まります.
2)乳児期 (3ヵ月)
睡眠時間は 14~15 時間とやや短縮し,3~4 時間連続して睡眠をとるパタ
ーンとなります.動睡眠(レム睡眠)が減少し,6 週~3 ヵ月頃からは入眠が
ノンレム睡眠から始まるようになります.
3)乳児期 (6ヵ月)
睡眠時間は 13~14 時間で,6~8 時間連続して睡眠をとるようになり,昼
夜の区別がはっきりしてきます.2~4 時間の昼寝を1~2 回とり,9 ヶ月ごろ
には 7~8 割を夜間に眠るようになってきます.4)乳幼児期 (1-3 歳)
睡眠時間は 11~12 時間程度となり,ほぼ夜間に睡眠をとるようになります.
昼寝も 1.5~3.5 時間を1回とる程度に減少します.レム睡眠がさらに減少して
きます.5)幼児期 (3-6 歳)
未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班 未就学児の睡眠指針 より引用
睡眠時間は 10~11 時間で,昼寝はさらに減少し,多くは 5 歳頃にとらなく
なります.脳波上は,ノンレム睡眠・レム睡眠の繰り返しが成人と同様の約 90
分のサイクルとなり,レム睡眠の割合はさらに減少します.
簡単に時間だけまとめると、
- 新生児:16〜20時間
- 生後3ヶ月:14〜15時間
- 生後6ヶ月:13〜14時間
- 1歳〜3歳:11〜12時間
- 3歳〜6歳:10〜11時間
となっています。
この研究からわかるように、睡眠時間の適切な量は個人差も大きいのです。
寝るのが遅い子はどうなるか?
これは散々言われていることなので箇条書きで簡潔に書きます。
しかし、本当に遅寝は子どもによくないです。
子どもが遅寝になるとこんなデメリットがあります。
- 背が伸びなくなる
- 二次性徴が早まる。(女の子だと初潮が早まるリスクも)
- 午前中眠気を引きずってしまい、就学後の学力が下がる。
- 免疫力が下がり、病気になりやすくなる。
- 感情のコントロールが苦手になる。(キレやすいなど)
保育園や幼稚園の昼寝は必要?

結論から言えば、子どもによっては昼寝は必要ありません。
休日昼寝しないほうがうまくいくのであれば、寝かさなくても大丈夫でしょう。
しかし、保育園や幼稚園では昼寝があるところが多いですよね。
そして、保育園で働いているとよく言われるのが
「夜寝なくなるから昼寝させないでほしい」という話です。
悩ましいですね。
では年齢別に、昼寝が必要なのか見ていきましょう。
1歳〜3歳は必要な睡眠時間が11〜12時間です。
夜9時に寝て、朝7時に起きれば夜間で10時間の睡眠です。
この場合あと1時間〜2時間の睡眠が必要なので、昼寝は必要ですね。
夜寝ないとすれば昼寝以外に理由がありそうです。
では、3歳〜5歳の幼児さんはどうでしょう?
必要な睡眠時間は10時間〜11時間。
先程と同じく夜9時から朝7時まで寝ていればすでに10時間です。
この場合子どもによっては夜だけで睡眠時間が十分に取れています。
睡眠時間が短い子は昼寝は必要ないと言えるでしょう。
しかし、ほとんどの保育園でお昼寝が行われている理由は、園の運営上の問題です。
保育士は出勤時間=保育している時間となっている園が多いです。
そのため、子どもが寝ている時間に書類や休憩をします。
つまり、昼寝をなくすと書類や雑務・さらに休憩する時間もなくなってしまいまうのです。
普通の方が思っている以上に保育士の書類などの雑務は多いので、よっぽど恵まれた園でなければ個別対応でお昼寝をなくすのは難しいでしょう。
休憩時間すら、休憩という名の書類業務になっている園が多い中、お願いしても現実的に受け入れてもらえないかもしれません。
保育士としては心苦しいことですが、園によっては昼寝をさせないことは難しいでしょう。
しかし、職員数に恵まれた園や、園の方針によっては可能なところもあります。
ダメ元でお願いしてみるのも良いかもしれません。
それでは「夜寝るのが結局おそうなってしまうじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、本記事を最後まで読んで、早寝を習慣化すれば絶対に大丈夫です。
お昼寝をしていても夜は早く寝るようになります。

それに、体力がついて昼寝が必要ない子は昼寝時間でも起きてるよ!
睡眠の仕組み
人が眠くなる仕組みには2種類あります。
- 疲れて眠くなる仕組み(恒常性維持機構)
起きている間脳が活発に活動し、脳の中に疲れ(熱)がたまります。
疲れがたまると眠気が我慢できなくなてきます。
そして、その疲れが眠ることによってリセットされるのです。 - 夜になると眠くなる仕組み(体内時計機構)
人は体内に時計を持っていて、夜になると眠くなるようになっているのです
メラトニンという眠るのを助けるホルモンが、朝起きてから14時間〜15時間後に出てくるようになっています。
つまり、朝7時に起きれば9時には眠くなるようになっているのです。
つまり、毎日たくさん遊んで疲れ、早起きしていれば夜は勝手に眠くなるのです。
習慣化すれば子どもは絶対に眠る

寝ない子どもを夜寝かせるのは大変です。
しかし、それは夜遅く寝ることが習慣化してしまっているからです。
毎日同じ時間に寝ていると、さきほどの体内時計がしっかり機能するようになり、その時間が来れば子どもは起きていられなくなって寝てしまうのです。
人間の体の仕組みとして、早寝を毎日していれば起きていられなくなるのです。
実際、私は夜9時をすぎれば起きていられない子どもでした。
起きていようとがんばっても寝てしまうのです。
子どもに寝る時間がしっかり習慣化すれば、その後はとても楽になります。
はじめは大変ですが、早寝の習慣をつけるよう頑張りましょう!
早寝早起きより早起き早寝から始めよう

よく「早寝早起きを!」と言われます。
しかし、逆転の発想で「早起き早寝」を目指すとがんばれます。
なぜなら眠くない子ども寝かせるより、眠い子どもを起こすほうが簡単だからです。
さきほど説明しましたが、目が覚めてから14時間ほど経つと自然と眠くなってきてしまうのです。
数日はそれでも頑張って起きてようとするかもしれませんが、子どもはそんなにがんばり続けることはできません。
毎日早く起こしていれば、自然と夜寝る時間も早くなっていくのです。
はじめは眠くて機嫌が悪いかもしれません、しかし、それも数日です。
早起きして夜早く寝れば、また次の朝は早く起きるようになっていきます。
しかし、「早起き早寝」を実践する時に気をつけてほしいのは週末です。
「今日はお休みだから起きるまで寝かせとこう」という油断で全ては無駄になっていまします。
子どもにしっかり早起き早寝の習慣がつくまでは、休日でもサボらず起こしましょう。
習慣化すると勝手に起きてきます。
大人も早起きなので大変ですが、子どもにとっては一生を左右する問題です。
がんばって早起き早寝を習慣にしましょう!
子どもが眠るのを助ける方法

基本的には早起き早寝を習慣化することが大前提です。
それプラス、眠くなるのを助ける方法を紹介します。
たくさん遊ぼう
コロナウイルスで自粛が続く中厳しいですよね・・・。
外に出て遊べるのは理想ですが、室内でも体を動かしたり、厳しければ子どもが考えて遊べる遊びをしましょう。
一番良くないのはひたすらテレビやYou Tubeです。
子ども自身が頭を使わないので、疲れません。
夜寝づらくなってしまうでしょう。
夜にスマホを見せないようにしよう
眠ることを助けるホルモン「メラトニン」は強い光を浴びると出にくくなります。
スマホはブルーライトを出していて、この光を夜に浴びてしまうとメラトニンの分泌が抑えられてしますのです。
せっかく自然に出てきて眠気を誘うメラトニンさんを、スマホで追い払ってしまってはいけません。
また、同じ理由で寝る時は部屋を暗くしましょう。
少しでもメラトニンさんが出てきてくれますように・・・。
夜子どもが寝つくまではスマホは我慢して、子どもが寝てから大人の時間で使いましょう。
自律神経を理解しよう
人間の活動と睡眠には自律神経が深く関わっています。
自律神経とは体を活発に動かす交感神経と、体をリラックスさせる副交感神経です。
このうち眠るのに大切なのは、体をリラックスさせる副交感神経です。
しかし、この副交感神経はゆっくりとしか働いてくれないのです。
つまり、寝る前に興奮して交感神経が働いてしまうと、またそこからゆっくりとしか交感神経は働かないのです。
要するに寝る前に興奮すると眠れなくなるのです。
そこで寝る前は以下の行動は避けましょう。
- スマホでYou Tubeを見る
- 暴れまわって遊ぶ
- 仕事から帰ってきたお父さんとハイテンションで遊ぶ
(ハイテンションは休日に、平日はまったりと絵本でも読んであげてください)
子どもが早寝するためには眠る前の行動から大切なのですね。
眠る前のルーティーンを作る
子どもは、なにかが習慣化すると自然と習慣を守ろうとしてしまいます。
ですから、眠る前にお風呂に入り→パジャマに着替え→歯を磨き→布団に入り絵本を読む。
といったように決まった流れを作ります。
すると、それを毎日繰り返すうちに、その行動をしていると眠くなるようになってくるのです。
シンプルですがとても効果があります。
眠る前のルーティーン、作ってみてください。
特に絵本はおすすめですよ!
保育士が実践する寝かしつけのコツ
保育園と家庭では状況が違います。
園では「みんな寝てるから布団で静かにしてなくては」という集団心理も働きます。
しかし、それを差し引いても園ではほとんどの子がすぐ寝ます。
お家で中々寝ないと聞いて驚くこともあります。
これは寝かしつけのコツもあるのではと思い、普段実践しているテクニックを書いておきます。
- トントンは一定のリズムで
寝かしつける時子どもの体をトントンと優しく叩いてあげます。
一定の単調なリズムですることで、子どもの眠気を誘います。
また、心地よい振動もポイント。車って眠くなりませんか? - できれば子守唄を歌う
子守唄も効果的です。
鼻歌で、上手でなくてもいいので毎日同じ歌を聞くと子どもは安心します。 - 頭を優しくなでてあげる
髪の毛流れにそって優しくなでてあげましょう。 - 頭や背中を軽くかいてあげる
子どもによりますが、かいてもらうのが気持ちくて寝ていく子もいます。
気持ちいいことをしてあげるのはポイントです。 - 耳を触ってあげる
耳を触られるのが気持ちいい子もいます。
耳たぶを優しく触ってトントンしていると寝ていく子もいます。 - 手や足をマッサージして温める
子どもって寝る前手足が温かくなりませんか?冷たい時は温めてあげましょう。
私が実践しているポイントは異常です。
共通したコツは「気持ちいいことを一定のリズムで」です。
大人でもマッサージの途中で寝てしまうことありませんか?
子どもも一緒で、目をつぶって気持ちよさに身を任しているうちに寝てしまいます。
ぜひ試してみてくださいね!
まとめ
子どもが早く寝るためには、早寝早起きではなくて、「早起き早寝」を心がけましょう。
眠くない子どもを寝かせるよりは、眠い子ども起こすほうが簡単です。
はじめは大変かもしれませんが、1週間、2週間…長くても1ヶ月もすれば習慣になってくるでしょう。
子どもの早寝が習慣になれば、「早く寝なさい!!」と怒ることもありません。
子どもが寝た後の時間は大人の時間として自由に使えるようになるでしょう。
子どもは勝手に早寝するようにはなりません。
もし今お子さんが寝るのが遅くなってしまっている場合、今がんばることでこの先長い子育てが楽になるはずです。
ぜひ早起き早寝に取り組んでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事を気に入った方はこちらもおすすめです!







