「生きる力」とは?新しい時代を生きていく子どもたちへ贈りたい力

幸せになる子育て

「10年後の世界が想像できますか?」

と言われれば、今の時代ほとんどの人がNOと答えるでしょう。

むしろ、アフターコロナの世界すら誰にも想像できていないのではないでしょうか?

私はできません。

そんな先の見えない時代の中、子どもたちにはどんな教育をすれば良いのでしょう?

それは、生きる力をつけることです。

あまり耳慣れない言葉かもしれません。

しかし、教育に関わる仕事の人の中では結構前から

「生きる力が大切だ」と言われています。

しかし!生きる力について解説している書籍・記事などどれも難しい!!!

しっかり全部読む気に慣れません。

きっと他のサイトを見てきた方は同じ気持ちでしょう。

生きる力ってそんなに難しいことじゃないよ!!

生きる力とは、自分を大切にする力、自分で考える力だよ!

どこよりもカンタンに今子どもたちに必要とされる「生きる力」について解説します!

生きる力とは?

泥団子を持つ子ども

いきなり本題ですが、「生きる力」と自分を大切にする力・自分で考える力のことです。

「なんだ、そんなことか」と思う方もいるでしょう。

しかし、今の子どもたち(私たち現代の大人もですが)にはこの「生きる力」が育っていません。

よく、一流の大学を出て、一流の企業に入ったエリートだけど仕事ができないという人っていませんか?

そこまででなくとも、いい大学を出てるのに社会人として必要な能力がないという人は身近にいるのでは?

一流企業のSONYでAIBOの開発などを手掛けてきた天外伺朗さんも自著の中で

私は、ソニーに四二年間勤務し、おびただしい数の従業員に接してきたが、一流大学を優秀な成績で卒業してきても、勉強ばかりして遊んでこなかった子は、企業ではほとんど役に立たないことを断言できる。

天外伺朗 著 「生きる力」の強い子を育てる  飛鳥新社 2011年版

と書いています。

こんな風に一流大学出のエリートなのに社会で役に立たないといった人々は、生きる力が育っていないのです。

では社会人として必要な能力とは何でしょう?

  • 自ら行動する力
  • 問題を解決するために考え抜く力
  • チームとして動ける力(コミュニケーション能力)

の3つが必要ですね。

これらの能力がない人が
「指示待ち人間」
「挨拶ができない」
「辛いとすぐ辞めてしまう」と今問題になっています。

つまり、「生きる力」とは「社会で生きていくために必要な力」の事です。

もっと言えば、私は「幸せに生きていくための力」と解釈しています。

では生きる力とは具体的になにか?と言えば

  • 自分を大切にする力
  • 自分で考える力

の2つです。

生きる力が大切と国が示しているが…

メガネと辞書

教育に関するちょっと難しい話になります。

本記事はカンタンにがテーマなので、興味ない人は飛ばしてください。
生きる力を育てるには?までジャンプ!

国としても生きる力を重要視している

2020年現在、国が定める幼児教育の指針「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園・保育要領」にも、小・中の指針「学習指導要領」にも生きる力の大切さがしっかりと書かれています。

読んでもらえばわかりますが、難しいです。内容が。

私は保育士なので、幼児教育中心に国が考える生きる力について少し解説しておきます。

まず、学習指導要綱における生きる力とは

「生きる力」=知・徳・体のバランスのとれた力
変化の激しいこれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな心、健やかな体の知・徳・体をバランスよく育てることが大切です。

文部科学省:新学習指導要領 保護者向けパンフレット より引用

とあります。また、

そのため、これからの社会を生きる子どもたちは、自ら課題を発見し解決する力、
コミュニケーション能力、物事を多様な観点から考察する力(クリティカル・シンキング)、
様々な情報を取捨選択できる力などが求められると考えられます。

文部科学省:新学習指導要領 保護者向けパンフレット より引用

ともあります。こちらは少しわかりやすいですね。

ざっくり要約すると、生きる力とは頭も心も体も健康で、自分から問題を見つけ、周りの人と協力しながら問題を解決していける力ですね。

そして、幼児教育においては保育所保育指針にこう書いてあります。

乳幼児期は、生涯にわたる生きる力の基礎が培われる時期であり、特に身体感覚を伴う多様な経験が積み重なることにより、豊かな感性とともに好奇心、探究心や思考力が養われる。また、それらがその後の生活や学びの基礎になる。

保育所保育指針解説書  より引用

つまり、「生きる力の土台を作るためにたくさん体を動かして、たくさんの経験をして”なんだろう”という気持ちを育てよう。」ということです。

もっとざっくり言えば、たくさん遊んでたくさん心と体を育てよう!ということです。

う〜ん、良いこと言いますね。

実際、保育所保育指針にはめっちゃ良いことたくさん書いてあります。

しかし!現実はそうはいかないのです・・・。

次は日本の悲しい現実の話だよ。

生きる力が育たない日本の教育

残念なことに、現在のところ日本では生きる力を育てるための教育が十分とは言えません。

そもそも、生きる力を身につけるためには、子どもが主体的に考える事が絶対に必要です。

こういった子どもの主体性を伸ばすという考え方は昔から多くの教育者によって唱えられています。

フランスの哲学者ルソーは

適切な環境を用意し、たっぷりと愛情を注ぎ、自由を与えれば、子どもは自然に伸び伸びと成長する

天外伺朗 著 「生きる力」の強い子を育てる  飛鳥新社 2011年版

と唱えています。

当たり前のことのようですが、当たり前ができていないのです。

日本の今の教育では自由も愛情も不足しています。

ほかにも、モンテッソーリ、フレーベル、シュタイナーなど教育に関わる人ならば誰もが知っている有名教育者たちが、子どもに対して教えるより子どもから引き出す教育が能力を伸ばすと説いています。

もちろん、現在の学校教育に関わっている多くの人もこれは知っていますし、そうしようと努力しています。

しかし、実際にはまだまだ日本の教育は一斉に授業を行い、同じタイミングで同じ知識を試験のために教え込むことがメインとなっています。

これでは子どもの生きる力は学校の中では十分には伸びていきません。

そもそも日本の教育の歴史的に仕方のないことなのですが、その辺りの背景についてはここでは省略します。

もし詳しく知りたい方は天外伺朗さんの”「生きる力」を育てる”という本に詳しく書いてあります。

少し難しい本ですが、もし興味があればぜひ読んでみてください。

教育観が変わると思います。

生きる力を育てる教育

一方で、サドベリースクールという先進的な形態の学校があります。

決まったカリキュラムは存在せず、年令によるクラス分けもありません。

子どもたちは学校で登校から下校まで自由に遊び、学びたくなった時に学ぶのです。

つまり、クラスも、授業もないのです。

信じられますか?

これぞまさに生きる力を育てる学校ですね。

「そんな学校じゃ子どもは勉強しないんじゃないの?」

と思われるかもしれません。

しかし、サドベリースクールではたくさん遊び、遊びに満足した子たちは自ら学習をはじめるといいいます。

以下の引用を見てください。

サドベリー校では、四歳から十九歳の子どもを受け入れている。設立から四〇年を超えるが、今までひとりの例外もなく、十五歳になれば完璧に読み書きをこなすようになってきた。しかも、早くから読み書きができた子と遅くまで覚えなかった子とでは、まったく差はないという。

天外伺朗 著 「生きる力」の強い子を育てる  飛鳥新社 2011年版 より引用

遊び尽くした子どもは、今度は学習意欲が高まり、先生と交渉して自ら授業を企画する。つまり、内発的動機にもとづいた学習が始まるのだ。子どもたちは、遊びを通じて「フロー」に入りやすい体質になっており、学習の効率は極端に高くなる。
 事実、小学校六年間で教わる算数の内容は、二十四時間程度で身につけてしまうと言う。

天外伺朗 著 「生きる力」の強い子を育てる  飛鳥新社 2011年版 より引用

つまり、子どもはやらされるのでなく、自らやる気になった時信じられないほどの能力を発揮するということです。

事実私の保育経験でもこんな事がありました。

3歳児クラスで、文字に興味を持ち始めた子がいたのでカルタを提供し、五十音表をクラスに貼りました。

私のしたことはそれだけです。

子どもに聞かれれば「それは”あ”だね」といった具合に答えることはしていました。

すると、ひと月くらいの間にほとんど文字を読めなかった子が、自分でひらがなを全部覚えてしまったのです。

しかも一人二人の話ではありません。

家庭にも確認しましたが、家庭でも全く教えていませんでした。

「カルタ遊びのために必要だから」

と自ら覚えようとすることで、スポンジのように吸収していったのです。

これは考えてみれば当たり前のことです。

子どもたちは日本語の習得というとても難しいことを、誰に教えられるでもなくゼロからやってしまうのです。

子どもたちが自分で覚えようという力を伸ばせば、学力も自然と高くなるのですね。

サドベリースクールの例は極端にしても、生きる力を育てる教育とは、子どもが自ら考える力を伸ばす、子どもから引き出す教育なのです。

しかし、日本でサドベリースクールは公教育として認められていません。

通わせるには経済的余裕も必要です。

サドベリースクール事態が自分の住んでいるところの近くにない方が普通でしょう。

そして、日本の公教育は引き出す教育より、知識を教え込む教育がメインです。

では、そんな日本の今の教育事情で私たちが子どもにできることは何があるでしょう?

生きる力を育てるには?

泥の中ボール遊びする子ども

生きる力を育てるための方法はシンプルです。

できる限りたくさん子どもを自由に遊ばせ、たくさんの愛を与えることです。

結局当たり前の事か…とため息が聞こえそうです。

しかし、この当たり前が一番子どもを伸ばします。本当です。

子どもは親からたくさんの愛をもらう中で自分が大切であると気づきます。

そして、自分のやりたい遊びにひたすら取り組む中で、集中して考え・学ぶことを覚え、友だちと関わることを覚えるのです。

残念なことに、この当たり前が、現実では難しくなっているのです。

保育園では遊びの中で生きる力の基礎を作るということが言われています。

しかし、現実は小学校入学後のため、行事のため、将来のためといった大人の勝手な”ため”に時間を取られて子どもの一番大切な遊びが削られてしまっています。

また、しつけのためという名目で自由を奪われ、考える力を奪われています。

学校では、一斉に知識を詰め込み、試験でそれを評価されることで、自分で考える力を奪われています。

世界でもトップクラスに厳しい校則で自分を大切にする力を奪われています。

それらは昔からそうですが、昔は学校以外の場所で遊ぶ時間がたくさんあり、その中で学べる子も多くいました。

では、現代の家庭はどうでしょう?

国際社会に対応するために英語、健康な体作りのためにスイミング、受験戦争に負けないために塾・・・

そうして子どもの遊ぶ時間を奪ってしまっていませんか?

子どもが自由に遊ぶ時間は十分確保されていますか?

子どもを頭ごなしにしつけるのでなく、自ら考えるようにしていますか?

生きる力を付ける方法はシンプルです。

早いうちから勉強させる必要はありません。

逆効果です。

特別な習い事もいりません。

子どもがやりたいならやらせてあげましょう。

スキンシップや言葉で沢山の愛をもらい、自由な遊びをたくさん楽しめれば、生きる力は自然とついていくのです

まとめ

生きる力とは、自分を大切にする力と自分で考える力です。

人は皆生まれ落ちたその時に大きなトラウマを抱えて生まれてきます。

バーストラウマと呼ばれる心理学の考え方です。

赤ちゃんは始め、安全・安心な楽園子宮の中で過ごしています。

しかし、突如その楽園から切り離されて自分と母親が別の存在となってしまうのです。

そのように大きなトラウマを抱えて生まれてくる赤ちゃんは、生まれてから、お母さんの大きな愛に包まれることで安心して自分を大切だと思えるようになります。

自分が大切だと思えた子はたくさんの遊びの中で夢中になれることを見つけ、その中で自分で考えて問題を解決したり、友だちと協力したりすることを学んでいきます。

これらが生きる力となるのです。

生きる力を身に着けた人はどんな時代が来ても自分で考え、必要な知識を自ら学び、友だちや大切な人を作って幸せに生きていくことができるのです。

先の見えない今の時代の中、私たちが子どもにできる一番の贈り物はただ愛すること

そして、たくさん自由に遊ぶ時間を作ってあげることなのです。

人は自分の受けてきた教育が正しいと思い込みたい生き物です。

しかし、私たちは学力を競う今までの教育では対応できない時代を、現実に目の前に感じています。

実際、いい学校を出て、会社に入れば一生安泰という時代が終わったことは誰でもわかります。

自分の子どもが幸せな人生を送るためには、今までの常識を捨てる覚悟が必要なのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ちなみに、生きる力の土台となるのは愛着形成です。

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※今回の記事を書くにあたって、天外伺朗さん著“「生きる力」の強い子を育てる”を大いに参考にさせてもらいました。
本を読み慣れない人には少し難しい本ですがぜひ読んでいただければと思います。
参考文献:.天外伺朗, 「生きる力」の強い子を育てる, 飛鳥新社, 2011,

ちなみにこちらの書籍、Kindle Unlimitedなら無料で読めます。

今ならKindle Unlimitedは30日無料体験も実施してますので、この機会に申し込んでみてはいかがですか?

期間中に退会すれば、料金はかかりませんよ〜。

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