現役保育士が子どもを褒めることについて本気出してに考えてみたら

保育

こんにちは!保育士のサボジローです!

子どもを褒めることっていいことだと思ってたけど、こないだ褒め過ぎは良くないって聞いて・・・。

結局褒めるのがいいの?叱るのがいいの?

褒めたほうがいいとか、叱ったほうがいいとか、子育てって本当に難しいよね。

今や子どもは叱るより褒めたほうがいいというのは常識のようになってきています。

1990年代頃から、子どもは叱るより褒めるほうがいいという価値観が一般的に流行り始めました。

その子育ての影響を受けた子どもたち(私たち30代20代世代ですね)が社会に出るようになり、心の弱い人が多いと、褒める子育てに疑問が持たれています。

未読ですが、2015年出版の本で「ほめると子どもはダメになる」という気になるタイトルの本も出ています。

このような本が出てくるということが、褒めることについてもう一度見つめ直す時期が来ているのではないかと思います。

そう思ってネットで調べても様々な意見があり、結局どっちなの?となってしまいますよね。

そこで今回は、現役の保育士として子どもを褒めることについて真剣に向き合って考えてみました。

結論だけ先に言っておけば、褒めるより、愛することが大切です。

では、いきましょう。

子どもを褒めるのは本当にいいことか?

子どもを褒めるのは本当にいいことなのか?

私も保育している中でたくさん子どもを褒めています。

褒めると子どもがやる気になるし、叱って頑張らせるよりお互いに気持ちいいからです。

しかし、一歩立ち止まって考えてみると、大げさに褒め続けることは本当に子どもの人生にいい影響を与えているのか疑問が残ります。

モンテッソーリ教育では褒めない

モンテッソーリ教育とは、マリア・モンテッソーリが提唱した世界中で取り入れられている教育法です。

モンテッソーリ教育を取り入れている学校からは、数々の偉人と呼べる人物が出ています。

一例として

  • ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
  • ラリー・ペイジ(Google開発者の一人)
  • セルゲイ・ブリン(Google開発者のもう一人)
  • バラク・オバマ(アメリカ元大統領)
  • 藤井聡太(将棋界の若きスーパースター)

このような人物を輩出しているモンテッソーリ教育では、基本的に子どもをオーバーに褒めるようなことはしません

モンテッソーリ教育では、子どもの主体性を大事にしていて、子どもは褒められたくて活動しているわけではないという考えから安直に褒めることをしません。

褒めるということは、子どもを評価することなのです。

「おりこうさんだね」と褒めれば、子どもは暗に「おりこうさんでなければならない」とも感じます。

そうやって、大人の評価を気にして行動する子になってしまわないように、モンテッソーリ教育では褒めないのです。

生きる力を伸ばすには評価しないこと

この頃の教育では、生きる力を伸ばすことがとても大切だと言われています。

生きる力についてはこちらで解説しています。

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その生きる力を伸ばすためには、子どもが主人公となることが何よりも大切です。

やらないと大人に叱られるから、やると大人が褒めてくれるからではなく、子どもが自分でやりたいことに熱中していくことが子どもの本当の力を引き出すのです。

天外 伺朗さんの著書「生きる力の強い子を育てる」の中で、とてもおもしろい表現があるので引用します。

「褒める」という行為は、「自己否定」の泥海の中から子どもたちを救い出す、サルベージの役割を担っている。

天外伺朗 著 「生きる力」の強い子を育てる  飛鳥新社 2011年版 より引用

これだけ読むと分かりづらいので解説します。

子どもたちの真の能力を引き出すには、子どもをひたすら自由にし、大人からの評価から開放する必要がある。

しかし、現代の教育状況では子どもたちに完全な自由を与えることは難しく、子どもたちは常に大人からの評価にさらされている。

そんな大人から評価され続けることで「自己否定」の泥海に沈んでいってしまう子どもたちを、褒めることで救い出すということです。

天外 伺朗さんは、褒めるとは自己否定から救い出すための手段なのだと考えているのですね。

この「生きる力の強い子を育てる」はお母さんも、保育者も、子育てする人にとってとても参考になる本なので、読書が苦でない方はぜひ読んでみてください。

価値観が変わります。

ちなみに、Kindle Unlimitedに登録すると今なら無料で読めます。

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子どもを褒めるとはどういうことか?

褒めるとはどういうことでしょうか?

「褒める」の言葉の意味を調べてみると、

人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる。「勇気ある行動を―・める」「手放しで―・める」「あまり―・めた話ではない」

goo辞書より引用 

褒めるとは、人の行いを「優れている」として評価することなのですね。

これは子どもを褒めているときも同じです。

「上手に靴履けたね」

「苦手な野菜食べられてえらいね」

「数字が読めるなんてすごいね」

といったように、私たちは子どもの行動を評価しています。

つまり、褒めるとは、子どもがしたことを良いことだと評価して、子どもにその行動を繰り返させようとすることなのです。

子どもは大人からの評価に敏感です。

赤ちゃんでも9ヶ月過ぎた頃に社会的参照という能力を身に着け、大人の顔色で良いことと悪いことを判断するようになるのです。

褒めることは子どもを評価することだということだけは忘れずにいたいですね。

社会的参照についてはこちらで。

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褒めることは子どもの自己肯定感を高めるのか?

褒めて育てると自己肯定感の高い人になると聞くことがあります。

果たして本当でしょうか?

まず、自己肯定感が高いとはどういうことでしょう?

自己肯定感の高い人とは、自分のことを大切にでき、他人からの評価でなく、自分の価値観で行動できる人です。

しかし、褒めるという行為は場合によっては「〇〇をしたあなたはえらい」とその子どもを限定的に認めることにもつながるのです。

「靴を上手に履けたからえらい子」では、靴を履けなかった時はえらくない子となってしまいます。

もちろん、その子が「これはすごいことをできた」と感じた時に「すごいね」と褒めてあげれば自己肯定感を伸ばすことにつながるでしょう。

しかし、たくさん褒めて自己肯定感を伸ばそうとしても、場合によっては逆効果のときもあるのです。

では自己肯定感を伸ばすにはどうすれば良いのでしょう?

それは、愛することです。

その子がどんな子でも、そのままのその子を愛しているよと伝えることが自己肯定感の高い子を育てることにつながるのです。

自己肯定感を伸ばすには、いいことをした時に褒めるのではなく、いつも愛することです。

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子どもを褒めるときの褒め方は?

ここまでは褒めることは必ずしもいいことではないとお話してきました。

しかし、褒め方によっては褒めることは子どもを大きく伸ばすことに繋がります。

保育士の私が考える褒め方についてお話していきます。

褒めるというより認める

これは先ほど紹介したモンテッソーリ教育でも通じる考え方です。

子どもを褒めるというより認めていくのです。

モンテッソーリ教育では子どもが集中して取り組んでいる時は静かに見守ります。

そして、その活動をやりきって満足した時に子どもは顔を上げるので、そこで「見ていたよ、一人でできたね。最後まで頑張ったね」と静かに認めていくのです。

この「褒める」と「認める」は似ているようで全く違います。

子どもを褒めることは先ほどお話したとおり大人の評価で「良いこと」とすること。

認めることは子どもが満足して「できた」と感じた姿を認めていくことです。

認めるときには子ども自身で「できた」を感じているはずなので、静かに声をかけるだけで十分なのです。

つまり、褒めるのでなく認めるということは、子どもが「できた」と感じた瞬間を逃さないことです。

子どもの中の「できた」を大好きな大人が「見ていてくれた」と感じることで、子どもの力はグッと伸びていきます。

行為でなくその子そのものを褒める

これは先ほどの「愛すること」につながるのですが、「〇〇できたからすごい」ではなく、「あなたはすごい人だね」と褒めることは自己肯定感を伸ばします。

ついつい褒める時はその子の行動の結果が良かった時に「すごいね」と褒めてしまします。

しかし、そういった限定的な褒め方では子どもは「褒められてたくてその行為をする」ようになってしまいます。

ですから、「あなたはすごい人だね」という風に子どもが感じられるように褒めてあげましょう。

「〇〇できるなんてすごい」よりは「□□ちゃんはすごい人だね」の方が子どもにとって嬉しいと思いませんか?

過程を褒める

褒めるというと、どうしても良いことを達成できた時に褒めるという印象が強いと思います。

しかし、そうではなく、「あなたの頑張りを見ているよ」という意味を込めて褒めてあげてはどうでしょう。

例えば、私の担当している2歳児クラスの子どもたちは、まだズボンを自分で履ききれない子がよくいます。

慎重に片方ずつズボンに足を通し、ズボンを引き上げ、立ち上がってギュッと持ち上げる。

しかし、お尻が引っかかって後ろ側だけ上げきらない時「できない」と子どもは助けを求めます。

そんな時、「ここまでできたの?あなたはすごいね」と伝えながらそっと手を貸してズボンを上げるのです。

このように、子どもが頑張っているその過程を「見ているよ」と伝える褒め方は、その子に安心感を与え、自己肯定感を高めていきますよ。

まとめ

今回は、「褒めること」について真剣に考えてみました。

私の結論としては、まとめると

  • 褒めることは評価することと同じ
  • 褒めるより認めよう
  • 褒めることより愛することが子どもを伸ばす

の3つですね。

とはいえ、褒めると子どもがやる気を出してくれるのも事実。

子どもにこれをしてほしいという時に褒めてしまうことはよくあることですよね。

私もあります。

ただ、「大人が褒めることとはどういうことか?」と理解して、たまに立ち止まってみることで安易に褒めすぎることは防げるのでないかと思います。

以前働いていた保育園で給食の苦手なものを食べさせたい時

「〇〇ちゃんピーマン食べまーす!」

「すごーい!」

「食べれるのー?お兄ちゃーん!!」

「すごいねー!!!」

と部屋中の大人から褒めるという名目の強制が飛び交うことがありました。

あれは、褒めると言いつつ子どもに「あなたはいい子?悪い子?」と大人の評価を押し付ける悪い例ですね。

何事も乱用はいけないです。

そして何より、褒めることよりも、そのままのその子を愛してあげることのほうが何十倍も重要です。

もし私が「子育ては叱るほうが良いの?褒めるほうが良いの?」と聞かれたら大真面目に「愛する方が良い」と答えます。

あなたを愛しているよとたくさん表現することが、自己肯定感の高い、生きていくことが楽しい子を育てるのです。

欧米人を見てください。

誰もが自分大好き。

たくさん「I LOVE YOU」を言われて育ったからですね。

私がオーストラリアに留学していた時、大人が子どもに愛を伝える表現の大げささに驚いた経験があります。

欧米の子育てが全て良いとは思いませんが、そこは見習うべきところと思います。

私も、今回改めて調べ、真剣に考えてみたことで褒めることについて再認識しました。

保育の中で気をつけていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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