
なんか、周りの子見てるとひらがな読んでる子がちらほら・・。
ひらがなって何歳までの覚えたら良いの?
このまま小学校に入ったら出遅れちゃうんじゃないかしら?

お母さん、よくある落とし穴に落ちてますよ!

え?

実は、小学校で出遅れたら・・という不安から大きな間違いをしてしまうお母さんがものすごく多いんだ。
「ひらがなって何歳から覚えられるの?」
と気にし始めた方、要注意です。
ここで注意しないと、子育ての道が大きく曲がっていってしまいますよ!
今回はひらがなは何歳から覚えられるのか?
また、何歳までに覚えればいいのか?
について現役保育士が徹底解説していきます!
「何歳から」より、「何歳までに」が本当に大事ですよ!
ひらがなは何歳から覚えられる?

結論から言えば、ひらがなは驚くほど早くから覚えられます。
私が実際に見た子では早い子で、2歳のうちにほとんど覚えてしまった子もいました。
最近では4歳くらいでひらがなを読める子が多いです。
しかし、決して早く覚えることが良いことではありません!!
5歳で読めないからといって焦る必要は全くありません!
子どもの能力は素晴らしく、教えればどんなものでも吸収してしまうのです。
一つの言語を生まれてからわずか3年ほどで習得してしまうのだから当然です。
ひらがなくらいお茶の子さいさいです。
そして、この子どもの吸収力に目をつけ、早めに知識を詰め込んでしまおうという早期教育が加熱していきました。
しかし、それは大きな間違いだったのです。
1,2年早くひらがなを覚えたからと行って、小学校を卒業するまでにはその差はゼロになっています。
ひらがなを早く覚えることには、間違いなく意味はありません。
就学前にひらがなを教える必要はある?

結論から言えば、就学前に無理してひらがなを覚えることは全く必要ありません。
むしろ、無理に教えようとするのは長い目で見て必ず学力に悪影響を与えます。
では、順を追って解説していきます。
小学1年生の学習の現状
まずは小学校の学習の現実を見ていきましょう。
私は小学校の教師ではないので、授業の実態はわかりません。
しかし、こちらの資料を見てください。
教科書を出版している光村図書出版さんが先生向けにHPに掲載している、授業の進め方の例です。
この資料によれば、カタカナが授業に登場するのは9月です。
それまではずっとひらがなについての授業をしています。
つまり、1年生の一学期丸々ひらがなの授業があるのです。
なぜなら、文部科学省が決める学習指導要綱では、ひらがなを読めない前提で1年生がスタートするからです。
ですから、ひらがなを読めないまま小学校に入ったからといって授業についていけないということはありません。
また、こちらのブログではお子さんがひらがなを覚えずに小学校に入った実体験も書かれています。
やはり、全く問題なかったようです。
つまり、ひらがなは小学校に入ってから覚えれば間に合うということですね。
早く覚えても絶対に追いつかれる
「小学校で教えてくれるからといって、先取りしとけば有利じゃない?」
という声もありますよね。
気持ちはわかりますが、意味ありません。
想像してください。
自分が入学前までにひらがなも足し算も叩き込まれた子どもだとします。
「小学校になってこれで僕もお兄ちゃん」
「小学校って大人な感じ!」
「授業ってどんな楽しいことするのかな?」
などなど期待に胸を膨らませて入学しますよね。
そして、実際に授業が始まってみると
「あれ、それ知ってるよ?」
「え?それも知ってるよ?」
と授業の内容は自分はすでに知っている簡単なものばかり・・・。
もう本当に期待はずれ。
授業を集中して聞くことをやめてしまうでしょう。
だって知ってるからつまらないのです。
「授業=簡単でつまらないもの」
と学習してしまって、一番最初のステップである「授業に集中する」というところからつまづいてしまうのです。
そうなってしまってはその後の学習はひどいものです。
今まで先に覚えておいた貯金を使い果たしたら最後、授業がわからなくなり、更につまらなくて勉強が嫌いになってしまいます。
入学時には周りの子よりできて鼻高々だったのが、いつの間にか皆に抜かされているということになるのです。
何度でもいいますが、適切でない時期に早めに覚えても絶対に追いつかれます。
前倒しで知識を詰め込むことは学習のアドバンテージにはならないのです。
なぜひらがなを小学校1年生から習うのか?
それは、その時が一番適切だからです。
次の章では学習の適切な時期について解説していきます。
人の子どもと比べると落ち入りやすい早期教育の落とし穴
「〇〇さんの家の子はあれができるから」
「〇〇さんの家はあんなこともやらせてるんですって!」
というように、ついつい自分の子どもと人の子どもを比べてしまいますよね。
確かに2歳の子がひらがなを読んでたりすると、
「天才かも!!」と思われがちです。
しかし、前の章でも書きましたが、子どもは教えればなんだってできるのです。
ですが、それは長い目で見れば多少早いか遅いかの違いしかありません。
現時点での子どものできることを比べあってもなんの意味もありません。
数年後にはその差はなくなっているでしょう。
大事なのは、今その子が何ができるかではなく、大人になってから何ができるかではありませんか?
では、就学前の子どもに必要な教育とは何なのでしょう?
0から5歳は人生の土台を作る時期
木を思い浮かべてください。
木の根元には何がありますか?
土ですね。
栄養のある良い土があってこそ木は大きく大きく成長していくのです。
幼児期は、この土を耕す時期に例えられます。
それ自体は意味がないように見える遊びの中で、その後の人生を生きていく土台作りをしているのです。
具体的には次のステップです。
- 大人に愛されることで自分は大切な存在と気づく。
- 愛される安心感の中で、好奇心が育っていく。
- 好奇心を持って色々なことを試すうちに、自分で考え学ぶ力が身につく。
こんなふうに、遊びや日常の生活の中で小学校からの学習の基礎をつくるのが幼児期です。
基礎がしっかりできてこそ知識が身についていくのです。
子どもは遊びの中で学ぶ
まず、座って、授業を受けて知識をみにつけるとはどういうことでしょう?
例えば、ひらがなを教えたいとします。
大人が教えたいことを決め、その内容をそのまま伝えます。
つまり、子どもはその内容を記憶することがメインです。
その授業の中ではひらがなの知識しか身につきません。
では、遊びの中で学ぶとはどういうことでしょうか?
例えば、子どもが、砂山を作って、そこにトンネルを掘り、川を通したいと考えたとします。
するとその子は、
どんな道具が必要か?
一人でできるのか?
できないならば、誰にどうやって協力をお願いするのか?
水はどこからどうやって運んでくるのか?
と色々なことを考えます。
そして実際に体を動かして作業したり、水をバケツで運んできたり、友だちと協力し合ったりします。
その中で山が壊れる、友だちと喧嘩するなどの失敗も起きるでしょう。
その失敗にも自分で対処していかなければいけません。
つまり、砂山を作るという作業の中で様々なことを自分で考え、自分で学んでいくのです。
この、「必要なことを自分で学ぶ力」が生きていく上で何より大切になります。
この「自分で学ぶ力」がついていないと、就学後の授業もただぼんやり座っているだけであまり身になりません。
子どもが能力を100%引き出すのは?
子どもがその素晴らしい能力を引き出すのは、自分でやりたくなったときです。
当たり前のことのようですが、皆さんが思っている以上にやりたくなった時の子どもはすごいです。
例えば、アニメのキャラクターを細かく暗記していたり、驚くほど電車に詳しかったりする子どもを見たことありませんか?
その子が興味があることになると、いつもの数倍の集中力や記憶力を発揮するのです。
私が以前担当していた3歳児のクラスで、カルタが流行ったことがありました。
すると、誰も教えてもいないのにクラスの多くの子がひらがなを読めるようになっていったのです。
子どもがその気になったときの力は、あなたも覚えがあるのではないでしょうか?
幼児期に大切なことは、その気になることの幅を広げるため、好奇心を育てることです。
そのためにはとにかくたくさん遊ばせてあげましょう。
ちなみに、この場合の遊ぶはYou Tubeやゲームなど子どもが考える幅のないものは含まないのでご注意を。
子どもにとっていちばん大切なこと

就学前の子どもにいちばん大切なことは愛されることです。
お母さんやお父さんに愛してもらうことで、自分って大切なんだという感覚が育ちます。
好奇心も、考える力もその感覚が育ってこそ本当に身についてくるのです。
もし将来の学習が心配なら、たくさんハグしてあげて、たくさん一緒に遊んであげましょう。
遠回りなようでそれが一番近道なのです。
子育てに抜け道やショートカットはありません。
毎日普通の事を積み重ねた結果が、数年後に花開くのです。
子育てとって一番大切なことは、こちらの記事でより詳しくまとめたので、よければどうぞ。

まとめ
ひらがなは早ければ3歳になる頃から覚えることは可能です。
しかし、就学前に教える必要は全くありません。
なぜなら、幼児期に大切なことは知識を教え込むことではなく、自分で考え、学ぶ力をつけることです。
自ら学ぶ力をつけるには、たくさん愛されたくさん遊ぶことが一番です。
この自ら学ぶ力がつかなかった子は、どんなに早期教育で知識を詰め込んでも追いつかれます。
そして、大人になる頃には早期教育を受けていたことなど全く意味がなくなるでしょう。
ひらがなを教えよう、足し算を教えようと大人の都合で子どもの遊ぶ時間を奪うことが、実は一番子どもの学力を下げているのです。
もしそれでもどうしても就学前にひらがなを教えたいという人は、遊びから興味をもたせてみてください。
例えば、絵のたくさんついたあいうえお表をトイレに張っておく。
カルタを両親が全力で楽しむ。
など子ども自ら”ひらがな読めたら楽しいな”という環境を作るのです。
そう思わせたら後はあっという間です。
教える必要もないくらいすぐに吸収していきますよ。
大人が無理に教え込むことだけは絶対にやめてくだいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたが保育士さんならこちらの記事もぜひ。考え方が変わります。

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