
こんにちは!
1年間エピソード記録をほぼ毎日描き続けた、保育士のサボジローです!
この頃保育園でもエピソード記録を取り入れるところが増えてきました。
しかし、「エピソード記録ってどう描いたらいいかわからない・・・。」という方も多いようです。
それもそのはず、今まで保育の記録とは、書き手の個性を消して保育を客観的に捉えることが重要視されてきました。
保育の養成校でも、実習日誌の書き方として時系列でひたすら事実を書いていく書き方を習いましたよね?
しかし、エピソード記録は子どもの心、そして、描き手である保育士の心を描くものなのです。
今回は誰にでも簡単にエピソード記録が描けるように、エピソード記録の描き方を解説します。
本記事は基本的には保育士さん向けですが、実習日誌でエピソード記録を描く学生さんも基本は同じです。
家事や通勤の合間に音声でながら聞きしたい方はこちらからどうぞ。
※エピソード記述とエピソード記録は同義語です。記事内で「エピソード記述」と「エピソード記録」の表記が混在してますが同じ意味としてお読みください。
※今回参考にさせて頂いた「保育のためのエピソード記述入門」において、「書く」→「描く」という表現になっていました。
エピソード記録の意味を考えるとステキな表記だと感じましたので「描く」で統一してます。
Contents
エピソード記録とは?
そもそも、エピソード記録とはどんな記録でしょうか?通常の日誌とどんな違いがあるのでしょう?
通常の保育日誌は誰が書いても同じになるように、第三者の視点で保育を客観的に記録することが大切です。
一方で、エピソード記録とはある場面を切り取って、子どもや保育者の心の動きを描く記録なのです。
エピソード記録では、保育者が感じたこと、思ったことをしっかりと記述することが大切です。
通常の保育日誌とエピソード記録の大きな違いはここにあります。
保育者が感じたことをしっかり記述することで、その保育者の保育観がわかり、他の保育者と保育感を共有することができるのです。
次の章ではなぜエピソード記録を描くか?をみていきましょう。
なぜエピソード記録を描くか?

まずは描き方の前に、なぜエピソード記録を描くか?を見ていきましょう。

エピソード記録は普通の記録と違って、心を描く記録だよ!
先程も少し触れましたが、保育の記録とは客観的であるべきだという流れがありました。
保育者個人の思いではなく、実際に起きたことを第三者の目で書くことが重要だと。
客観的眼差しで、子どもの発達を捉えるための記録が今までの保育記録です。
つまり、日々の日誌などは(保育経験の差は出ますが)誰が書いても同じ記録になるように書かれているのです。
しかし、エピソード記録は違います。
エピソード記録は、保育現場に立つ保育者が主体として何を考え、どう感じたかを描き出す記録なのです。
もう少しわかりやすく言えば、同じ場面を見ていても、あなたが描いたエピソード記録と、他の人が描いたエピソード記録は全く違うものになるのです。
保育現場において保育者はとても重要な環境です。
その人の人格や子どもへの接し方、子どもの見方が大きく子どもに影響を与えます。
しかし、第三者の目で記録を書いていては、そこに確かに存在していた保育者の思い、子どもの思いが削り取られてしまうのです。
今、保育の中では生きる力を育てることが重要とされています。

生きる力を育てる上で重要なことは、子どもに何の活動をさせたかとか、何ができるようになったということではありません。
子どもが何を感じ、大人がどう応え、子どもがどう考えたかという過程が一番大切なのです。
その部分こそ記録に残し、色々な人と共有していく必要があります。
エピソード記録は保育者の心が動いた時に描く記録です。
事実を淡々と述べるのでなく、子どもの行動に感動したとか、嬉しかったとか、悲しかった、考えさせられた・・・。
そういう保育者の思いを描く記録がエピソード記録なのです。
保育のもう一人の主人公(一人目はもちろん子ども)として保育者が何を考え、どう感じているか。
その記録を残し、他の保育者と共有することで話し合いが生まれ、子どもへの思いをすり合わせることができ、保育の質が高まっていくのです。
エピソード記録は保育の質を本当の意味で高めるために、とても重要な記録なのです。
余談ですが、私はエピソード記録を保護者に公開できればいいのにと考えています。
「子どもがどう遊んだ」という記録を見るより、保育者がどう感じているかを知ってもらうことで、保育士の仕事・大変さ・重要さをわかってもらえると思っています。
ちなみに、私はある園で1年間、毎日ポートフィリオ(写真付きの簡単なエピソード)を掲示していました。
保護者からの評判も良く、特に誰か個人をフューチャーして描いた時は少なくない反響をもらえました。
保育者が思いを表現することは、保護者にも感動を与え、子育てについて考える機会となるのではないでしょうか?
では次の章では、実際のエピソード記録例を見ていきましょう。