Kちゃんのおしっこ

背景


私が保育士になり1年目の頃に担任していた2歳児のKちゃん。
緊張の強いKちゃんだが、私を好いていてくれて、生活場面では他の保育者ではなく私とやりたがることが多かった。
他の子がトイレトレーニングを完了させる中、緊張の強いKちゃんだけは中々トイレでおしっこをすることができなかった。
トイレに向かう姿は以前からあるが、トイレに座ること自体が緊張するらしく、すぐ「おしまい」と立ち上がってしまう。
排尿間隔が非常に長く、布パンツで過ごしていると午睡時や降園時など紙おむつに変えるタイミングまで我慢してしまう。

エピソード


ある日の、午睡前、いつものように他の子とともにトイレに向かうKちゃん。
他の子がおしっこし終わり、Kちゃんも座るが、すぐ「おしまい」といって便座から立とうとしてしまう。
布パンツで過ごしていて、失敗していなかったため、前回の排尿から間隔が長く空いていたことはわかっていた。
そのため、座っていれば出るのではないかと思い
「先生一緒にいてあげるからもう少し座ってようか?」と声をかける。
すると、「うん」と少し不安気な顔をするが、そのまま座っている。
手をつなぎ安心できるよう色々声をかけて過ごしているうち、次第にもぞもぞし始めるKちゃん。
「もうおしまい」と言い始めるが、「もう少ししたら終わろうね」と粘る。
すると、ブルブル震え「もうおしまい〜」と泣き始める。
「もう少しで終わろうね、大丈夫だよ」と声をかけつつ、そろそろ限界かなと思っていると、泣きながらおしっこが出て「でたー!!」と本人も驚きの表情を浮かべる。
ついにトイレで成功したことをとても嬉しく思い「おしっこ出たね!!!」「すごいね!!よかったね!!」とたくさん褒めると安心して、涙を浮かべたまま泣き笑いの表情になった。
その後、トイレでおしっこすることに抵抗がなくなったKちゃんは、すぐに排泄自立した。
もともと排尿をコントロールすることはできていたため、一度成功すればあとはスムーズだった。
心なしかKちゃん自身、排泄が自立したことでとても自信がついたように見える。

考察

Kちゃんは排泄機能は整っているが、「あと一歩きっかけがなくてトイレでできないね。」と担任間で話し合っていた。
また、オムツに変えてからオムツですることが習慣化してしまっていたので、そこをなんとか変えたかった。
少し強引な方法となってしまったが、トイレでできるきっかけを作ることができてよかった。
普段からたくさんの時間を過ごし、安心できる関係を築いてきたからこそ、私が側にいたからこそトイレですることができたのではないかと思う。
Kちゃんの泣き笑いの顔を見た時、この仕事をやっていてよかったと心から感じることができた。

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