この前夕食時、ぼんやりニュースを眺めていると「神奈川県で4歳の女の子6階のベランダから転落し、亡くなった。というニュースが流れてきました。
気に留めなければ何気ない不運な事故のニュースですが、とても悲しい気持ちになり、心に引っかかったので調べてみました。
すると、少し古いデータですが、
子ども(14 歳以下)が住居などの窓やベランダから転落する事故は、厚生労働省「人口動態調査」(平成 22 年から平成 26 年まで)では死亡事故が 92 件、東京消防庁の救急搬送データ(平成 23 年から平成 28 年まで)では救急搬送された事故が 218 件
窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください 消費者庁
上記の通り、14歳以下の子どもがベランダから転落して死亡した事故は5年間で92件もあるのです。
これはいけない、とこの記事を書いています。
マンションやアパートに住んでいる方ならどこの家庭でも起こる事故です。
私の家のベランダも、そういう視点で見ると十分子どもの転落事故の可能性はありました。
この記事を読んで、しっかり意識を持って対策してください。
あなたの子どもの命の話です。
なぜ子どもがベランダから転落するのか?
ベランダからの転落事故と聞くと、
「よっぽど子どもをほったらかしにしてたんじゃないの?」
「うちの子はまだ小さいから手すりを乗り越えれないし安全」なんて他人事に思ってしまいそうです。
しかし、違います。
ベランダからの転落事故は対策をしていない限りどの家庭でも起きる可能性があります。
では、なぜそのような痛ましい事故が起きるのでしょう?
ベランダの柵は十分な高さか?
法律で決められている3階以上のベランダの柵の高さは1.1m以上です。
それを踏まえた上で、こちらの産業技術総合研究所が行った実験の映像をご覧ください。
どうですか?ちょっと驚きではないですか?
子どもたちは自分の背丈よりずっと高い壁でも、手すりがあれば楽々乗り越えてしまうのです。
1.1mぐらいの高さであれば、2歳児でも手が届き、条件によっては登れる子どもが普通にいるでしょう。
3歳児なら登れるこの方が圧倒的に多いでしょう。
動画は足がかりがありますが、垂直の壁であっても、登れる子は十分います。
また、手が届かないから題になるものを持ってきて登るということは、2歳の子どもでも普通にします。
もしあなたの家のベランダの手すりに子どもが手をかけられたり、手をかけられなくともベランダや室内に子どもが運べて踏み台にできるものがあれば子どもはベランダの柵を乗り越えられてしまうのです。
ちなみに、私の働く保育園にはバルコニーがありますが、そこの柵は2m以上の高さがあります。
しかも、上の方はねずみ返しのように内側にせり出しています。
子どもの転落防止に十分な高さの柵とはそういうものなのです。
あなたの家のベランダは十分な高さですか?
きっと違うでしょう。
まず、ベランダから子どもが落ちる可能性はあなたの家でも十分あるということをしっかり認識してください。
子どもは危ないと気づけない
運動能力は高くても、危険を察知する能力は低いのが子どもです。
保育園では少し目を離せばすぐ危険なことをしてケガをする子がたくさんいます。
例えば、何個か重なっている椅子の上に登って立ち上がり、バランスを崩して落ちてケガをするなどよくあることです。
大人から見れば明らかに危ないとわかることも、子どもは”大丈夫だろう”とやってみます。
そうしてやって見る中で”これは危ない”と学習していくのですが、ベランダの柵は乗り越えてしまえば次はありません。
しかし、子どもはベランダの向こうが見たいと思えば、自分の体力、知力を総動員して見ようとするでしょう。
その時、ベランダを乗り越えようとしたり、覗き込もうとしてバランスをくずしたら最後、自分の体重を支えていることはできませんので、地面まで真っ逆さまです。
子どもが勝手にベランダに出ている。
これは意外と盲点ではないかと思うのですが、ベランダで遊ばせていなくても事故は起きます。
子どもはある程度成長すれば自分で窓を開けてベランダに出てしまうからです。
保育園では2歳前の子でも、ちょっと力のある子なら大人の身長より高いガラス戸を開けてしまいます。
もちろんベランダの窓には鍵がついているでしょうが、室内にいる時に鍵を締めてますか?
また、子どもが踏み台を使って自分で開けれてしまう高さの鍵ではないですか?
室内にいるから安全と子どもから目を話して家事をしている隙に、窓を開けてベランダに出て転落するということも十分可能性があるのです。
あなたの子どもも危険!一瞬のスキで事故につながる
事故のニュースを見ると、「うちは気をつけてるから大丈夫」と思いがちです。
では、不幸にも事故にあってしまったご家庭は気をつけてなかったのか?
そんなことはないでしょう。
これは保育士をしていると本当によく分かるのですが、子どもが事故を起こすときは本当に一瞬です。
さっきまで落ち着いて遊んでいたなと思っていた子がほんの少し(数十秒)目を話した隙にケガをしているなんてよくあることです。
だからこそ保育士には危険を事前に予測する力が求められるのですが、それはまた別の話です。
要するに、ベランダで子どもと遊んでいて
「落ち着いてるし、ちょっとトイレ行ってこよう」
「宅急便が来たから荷物の受け取りを」
「スマホ部屋においてきたからとってこよう」
こうした一瞬の隙に、十分事故は起きるのです。
もし子どもとベランダで遊ぶ場合、必ず一緒にベランダに出て、絶対に目を離さない必要があるのです。
自粛生活もあったので、安全で楽しい遊び場に思えるベランダですが、危険と隣り合わせという意識を絶対に忘れてはいけません。
一瞬の油断で、一生後悔してもしきれない事故が起きてしまうかもしれないのです。
ベランダからの転落事故を防ぐには?

ベランダが危ないからと行って、急に平屋に引っ越すわけにはいきません。
自分の家でもできる、ベランダの安全対策を見ていきましょう。
子どもが実際に落ちるかもというつもりで
先ほどからしつこいくらいお話してますが、うちの子がベランダから落ちるかもというつもりで安全チェックしましょう。
「こうだから大丈夫だろう」ではいけません。
「こうなって、こうなったら落ちてしまうな」と落ちる可能性を探してその理由を潰していきましょう。
子どもの命がかかっていることです。
真剣に可能性を考えてみてくださいね。
物理的に落ちなくする
調べてみればベランダの転落防止グッズもたくさん出ています。
もう最強なのはこちら。
業者に頼んでベランダからの転落を物理的になくしてしまおうという作戦です。
景観は悪くなりますが、徹底的に事故の可能性をなくしてしまいたい人はこれもありでしょう。
子どもが大きくなるまでの数年の我慢ですからね。
もう少し現実的な案としては、ベランダの手すりに細工する作戦。
こんな感じでベランダの手すりに手をかけづらく、体を乗せるのは無理なようにしてしまえば大分事故の可能性は減るでしょう。ただ、布団が干せなくなりますが・・・。
あとは、当然ですがベランダに子どもの踏み台になるようなものを置くのは絶対にやめましょう。
ベランダに子どもだけで出さない
一番大切なのはこれですね。
ベランダに子どもだけでは絶対に出さない。
大人がベランダから離れるときは、一瞬であっても子どもも部屋に入れましょう。
一緒にベランダに出ていれば、よほどのことがない限り転落事故は起きないのではないでしょうか。
ただ、ベランダに出ている大人はしっかり子どもを見ていましょう。
また、小学生のお兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒なら・・・。というのもやめましょう。
小学生の子でも、幼児がベランダの手すりを乗り越えようとすれば止めるでしょう。しかし、それを見ていなかったということは十分にあるのです。しっかり大人が見守りましょう。
ちなみに、ベランダに一人で出てしまわない対策は十分ですか?
こんな対策なら費用も少なく可能です。
もちろん、子どもが踏み台をしても届かない位置に設置しましょう。
子どもは開け方はすぐに覚えてしまいますよ。
まとめ
生活の身近に潜む危険、ベランダからの子どもの転落事故についてお話してきました。
ベランダからの転落なんて他人事、と思ってしまいがちですが、今回改めて調査してみるとどこの家庭でも起きる可能性のある事故だとわかりました。
私もそんな痛ましい事故がが少しでも減ってほしいとこの記事を書いています。
子どもは好奇心旺盛でなんでもやってみようとします。
しかし、自分の身を自分で守ることはできません。
大切な命は失ってからでは手遅れです。
あなたの家のベランダの状況をこの機会に改めて見直してみてくだいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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