心の安全基地とは?安全基地の意味や作り方を簡単解説!

保育

こんにちは!保育士のサボジローです!

赤ちゃんの発達には心の安全基地が大切って聞いたんだけど、安全基地って何?

安全基地は、お母さんのことだよ!

育児の本などを読んでいると、必ずと行っていいほど「子どもの心の安全基地になることが大切です」と書かれています。

しかし、心の安全基地ってなんでしょうか?どうやって安全基地になればいいのでしょうか?

そんな疑問に徹底的にお答えてしていきます。

子どもの心の安全基地になるために大切なのは、子どもを愛することですよ!

心の安全基地とは?

さて、心の安全基地とは何でしょうか?

まず次の引用をご覧ください。

子どもは,アタッチメント対象である養育者を「安全基地(secure base)」(自分にとって安全や安心感を得られる拠点)として利用している。

アタッチメント(愛着)理論から考える保育所保育のあり方,初塚眞喜子,2010より引用

少し難しいですね。

もう少し簡単に言えば、心の安全基地とは、子どもにとって不安になった時にそばにいると安心する人のことです。

主にお母さん、お父さん、場合によってはおじいちゃんやおばあちゃん、保育士さんも心の安全基地になることができます。

では、心の安全基地とはどこから来た言葉なのでしょうか?

心の安全基地は元々は心理学者のメアリー・エインズワースが1982年に提唱した愛着行動に関する考え方です。

意外と古くからある考え方なのですね。

小さい赤ちゃんにとって世界は知らないことだらけです。

そのため赤ちゃんはすぐに不安になってしまいます。

不安になった時、お母さんがその不安を優しく受け止めてくれると安心し、また外の世界に興味を持っていけます。

こうして赤ちゃんの不安を優しく受け止めていくことで、お母さんは赤ちゃんの心の安全基地となっていきます。

心の安全基地ができると、赤ちゃんは安全基地を起点にして少しずつ外の世界を探索していきます。

そして不安になったり、疲れたりすると心の安全基地に戻ってきて心を充電するのです。

赤ちゃんにとって世界は真っ暗な嵐の中を手探りで探索するようなものです。

そんな赤ちゃんの世界の中心でいつも明るく輝いている、安心できる暖かい家のような存在を心の安全基地と呼ぶのです。

愛着形成とは?

心の安全基地ができるにつれて、安全基地となる人(主にお母さんやお父さん)と赤ちゃんとの間に愛着が形成されていきます。

では、愛着の形成とは何でしょうか?

愛着の形成とは簡単に言えば、赤ちゃんとお母さんとの心のつながりのことです。

この愛着の形成が、子どもの心の発達にとっては一番大切と言っても過言ではありません。

愛着が形成されていないと、赤ちゃんは世界に興味を持つことができません。

自分を愛することができません。

愛着の形成がうまくいかないと、将来本当にたくさんの弊害が出てくるのです。

愛着の形成は子育ての初期でで最重要です。

大切なので愛着形成については別記事でまとめてあります。

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ぜひご覧ください。

物理的安全基地から心理的安全基地へ

赤ちゃんの不安を繰り返し優しく受け止めていると、その人は赤ちゃんにとって物理的安全基地になります。

物理的安全基地になると、赤ちゃんはその人に触れることで不安が解消されます。

知らないものや人に出会った時、お母さんに抱っこを求めてきますよね?

それが物理的安全基地になっている状態です。

そして、より愛着形成が進んでいくと、安全基地と赤ちゃんとの距離は広がっていきます。

その距離が広がっていくと安全基地となる人が目の前にいなくても、心にその人を思い浮かべることで安心できるようになるのです。

これを、心理的安全基地といいます。

もう少しわかりやすく解説してみましょう。

赤ちゃんの心の発達は、よく2つの円に例えられます。

赤ちゃんは始めのうち、お母さんにピッタリくっついていることで安心しています。

赤ちゃんの心はこんな風にお母さんの心に包まれているような状態です。

そして愛着形成が進むと、外の世界に興味を持ち、探索するようになっていきます。

お母さんから少し離れますが、まだ心はくっついていたい状態です。

更に成長し、愛着形成が進んでいくと、お母さんを安全基地として”お母さんが見ていてくれる”という安心感から遠く離れて探索行動にもでかけてきます。

そして不安になるとまた戻ってきてお母さんの心にピッタリくっついて安心するのです。

こうして少しずつ物理的な距離が離れていき、お母さんが目の前にいなくても”僕にはお母さんがいるから大丈夫”と思って安心できるようになります。

この状態を心理的安全基地と言うのです。

お母さんが心理的安全基地になることができれば、子どもはどこにいてもたくましく、力強く世界を探索していくことができます。

心の安全基地がしっかりできることは、世界を探検する好奇心、力強く人生を生き抜いていく「生きる力」の源となるのです。

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心の安全基地はいつ頃できる?

子どもにとって心の安全基地が大切ということはおわかりいただけたでしょうか?

では、それだけ大切な心の安全基地はいつ頃できるのでしょう?

個人差もありますが、お母さん(一番近しい養育者)が物理的安全基地となるのは生後6ヶ月から8ヶ月頃です。

この頃になると”お母さんがそばにいると安心する”というように、お母さんは安全基地の役割を果たすようになってきます。

その反面、お母さんがいないと不安な気持ちになるので、8ヶ月不安といった後追いの時期が来るのですね。

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8ヶ月不安を乗り越えると、子どもと心の安全基地との距離はどんどん開いていきます。

お母さんから遠く離れて探索ができるようになっていきます。

そしておおむね3歳頃、子どもはお母さんは”いつも自分を守ってくれる存在なのだ”と強く確信できるようになり、そのイメージがお母さんがそばにいなくても心の中に持てるようになります。

つまり、お母さんはおおむね3歳頃心理的安全基地となるのですね。

心理的安全基地が心の中にしっかりとできれば、子どもはお母さんがそばにいなくても心理的に安心できるようになります。

大好きなお母さん(安全基地)との絆を胸に、様々なことに挑戦していくようになっていくのです。

3歳頃は自立への大きな一歩を踏み出す時期と言えるでしょう。

子どもの心の安全基地の作り方

子どもの心の安全基地となるためには、愛着をしっかり形成すること。シンプルに言えば子どもを愛することです。

しかし、愛するというのはシンプルなようで難しいですね。

ここで、覚えておいてほしい大切なことがあります。

愛情とは、子どもに与えるものではなく、子ども自身が親との関係性の中で感じるものだということです。

つまり、どんなに「愛している、愛情を与えている」と思っていても、それを子どもが感じていなければ愛着は形成されないのです。

では、どうすれば子どもは愛情を感じるのでしょう?

それは、”自分を見ていてくれる”と感じたときです。

自分が不安になった時、小さなサインでも気づいてそばに来てくれる。

自分がなにかに挑戦し、成功した時ちゃんと見ていて、一緒に喜んでくれる。

自分が何かを発見し、伝えたいと振り返った時、しっかり見ていて微笑んでくれる。

これらの何気ないことの繰り返しが愛着を形成していくのです。

愛着が形成されれば自然と心の安全基地はできていきます。

しかし、この心の安全基地づくりの大敵が現代には存在します。

それはスマホです

子どもが見ていてほしいと感じた時、そのサインに気づかなければ愛着形成はうまくいきません。

子どもを一人で遊ばせておいて、自分はスマホを見ている。

この現代では当たり前の子育て風景は、実は子どものたくさんのサインを見逃し、愛着形成の妨げとなっている可能性があります。

事実、保育園では現在愛着の形成がうまくいかなかったため、発達障害と間違われるような症状が見られる子がたくさんいます。

愛着形成に大切なのはせいぜい生後3年位の間です。

その3年が、子どもの大切な一生を大きく左右します。

その間だけでも、子どもが起きている間はスマホを横に置いておいて、子どもの遊びを見守ってあげてはいかがでしょうか?

きっと子どもの心に触れる感動的な体験ができると思います。

また、愛着形成にはスキンシップも非常に大切です。安全基地になるためには、子どもとできる限りたくさん触れ合ってあげてくださいね。

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心の安全基地になりうる人は?

子どもにとって心の安全基地となれる人は意外と多いものです。

お母さんお父さんはもちろん、おじいちゃん、おばあちゃん。

年が少し離れていればお兄ちゃんやお姉ちゃん。

よく会う機会があるなら叔父さん叔母さん。

そして保育士さん。

この中でも他人で、子どもの心の安全基地となる可能性が高いのは保育士さんです。

むしろ、あなたが保育士さんなら子どもの心の安全基地となるべきです。

幼児クラスであればお母さんやお父さんが心理的安全基地となっているはずなので、保育士が心の安全基地となる必要は必ずしもありません。

しかし、0,1,2歳児では、まだ子どもは自分のすぐ側に心の安全基地となる人を必要としているのです。

もし担任の保育士が心の安全基地となれなければ、平日の日中、とても長い時間子どもは不安な気持ちのまま生活しなければならなくなってしまいます。

乳児クラスの保育士さんは、ぜひとも子どもの心の安全基地になってあげてくださいね。

まとめ

子どもの心の安全基地についてお話してきました。

心の安全基地とは、愛着理論の中で提唱されている考え方で、その人が側にいると子どもが安心できる人のことです。

子どもにとって世界は知らないことだらけで、子どもは不安な気持ちをいつも抱えています。

そんな子どもが安心するための心の中の灯火となり、帰ってくるとほっと一息つける、暖かい家のような存在となってあげてください。

子どもの心の安全基地となるには、ともかく子どもをよく見ることと、スキンシップです。

そうして愛着が形成されていくと、自然と心の安全基地となっていくでしょう。

愛着の形成については、より詳しく専門的にこちらの記事で解説しています。

子育て最大のポイント、愛着形成(アタッチメント)とは?
子育てや保育の勉強をしてると必ず出てくる、「愛着形成」について、誰にでもわかりやすく、かつ専門的に解説します。学生さんにも保育士さんにもお母さんにもおすすめです。

愛着が形成され、心の安全基地ができることはその子の人生の基盤となるとても大切なことです。

ぜひ子供の心に寄り添い、安全基地となってあげてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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