保育の勉強をしていたり、子育てについて調べていたりすると、三項関係という言葉が出てきます。
では、三項関係とはなんでしょうか?
三項関係とは、赤ちゃんとお母さんの心が一つのものを通して通じ合うことです。
赤ちゃん、お母さん、物(ちょうちょなど)の三項の関係が成立するようになるということです。
少し難しいですね。
もう少し詳しく解説して、三項関係とは?とテストに出ても答えられるくらい深く理解してもらいましょう。

三項関係は赤ちゃんの発達を知る上でとっても大切なことだよ!
しっかり抑えておこう!
※この記事は保育士さん、保育学生さん向けですが、子育てについてより深く知りたいお母さんが読んでもおもしろい内容となっています。
三項関係とは?
三項関係とは、生後9ヶ月頃に見られる赤ちゃんの発達段階の一つです。
赤ちゃんは生後8ヶ月頃までは、
お母さんが赤ちゃんをあやして笑う(赤ちゃん↔お母さん)
赤ちゃんが飛んできたちょうちょを見て笑う(赤ちゃん↔ちょうよ)
というように2つの物の間でしか関係が成立しませんでした。(二項関係)
つまりお母さんと見つめ合っている時はお母さんだけ、ちょうちょを見ている時はちょうちょだけを気にしていたのです。
そんな赤ちゃんですが、生後9ヶ月頃になると変わってきます。
ちょうちょが飛んできて、それを見た赤ちゃんがお母さんを振り返り、またちょうちょを見るということが起きるようになります。
「お母さん、なにかとんできたよ」と伝えようとするのです。

また、お母さんが「あ、ちょうちょきたよ」と指差すとちょうちょを見て、またお母さんを振り返ったりもします。
この、赤ちゃん・お母さん・ちょうちょの3つの物の間でやり取りが成立することを三項関係というのです。
言い換えれば、お母さんと赤ちゃんで共通のものを見て、同じように感じて物事を共有することができるようになるということです。
また、三項関係が成立すると、指差しへとつながっていきます。

指差しも大事だから覚えておいてね!
共同注意と共同注視の違い

三項関係について調べた方は、共同注意、共同注視という言葉を目にしたかもしれません。
共同注意、共同注視どちらもよく似ている言葉ですね。
簡単に言えば、共同注視は単純に、一緒に物を見ること。
共同注意は一緒に一つのものに注意を向けることです。
少しわかりづらいですか?
例えば、生後4,5ヶ月の赤ちゃんでも、お母さんの視線を追って物を見ることはあります。
しかし、この時点ではお母さんの視線の意図を理解していません。
ただ、見ているだけなのです。
生後9ヶ月頃になると、お母さんの視線を追って物を見る時に、お母さんがどういうつもりなのか、考えてみることができるようになります。
あなたが誰かに「あっ!」と言われてその視線の先を見た時、その言葉を発した人の意図を考えますよね?
言葉の感じや、その時の表情でどんなものなのか、その人がどんな意図でそれをあなたに知らせようとしたのか自然と感じ取っていると思います。
「きれい」と伝えたかったのか「危ないよ」と伝えたかったのか、自然とわかると思います。
それが共同注意です。
つまり、共同注意ができるようになるということは、お母さんの気持ちを感じて同じものを一緒に見ることができるということです。

次ページではなぜ三項関係が重要なのか?解説するよ!